1970年スウェーデン生まれのクラリネット奏者マルティン・フレストは、もっとも傑出した現代の器楽奏者として、国際的にその名を知られている。そのレパートリーには、クラリネットのための主だったクラシック音楽作品だけではなく、カレヴィ・アホやロルフ・マーティソンの「クラリネット協奏曲」など、フレスト自身が委嘱し、初演した現代作品も数多く含まれている。2012/13年シーズンには、オランダ放送フィルムとともにベント・セアンセンの新作「クラリネット協奏曲」を、アムステルダムとケルンで初演した。
創造性の新しい側面を切り拓いていこうとする姿勢で、舞踊や演劇などの要素も盛り込んだフレストのステージは、多くの作曲家に刺激を与えている。彼がアンデシュ・ヒルボリに委嘱した「クラリネット、ピアノと弦楽合奏のための“孔雀物語”」ではパントマイムとダンスで表現することがソリストに要求されている。
最近では、オスモ・ヴァンスカの指揮でウィーン響、ロサンゼルス・フィル、ワシントン・ナショナル響、ミネソタ管とクスターボ・ドゥダメルの指揮でエーテボリ響と、他にはオスロ・フィル、ロイヤル・ストックホルム・フィル、アイスランド響、バーミンガム市響、BBCスコティッシュ響、ルツェルン響、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンと共演、いずれも絶賛された。
フレストはスウェーデンのモーラで行われるVinterfest(冬の音楽祭)と、ノルウェーのスタヴァンゲルで行われる国際室内音楽祭の芸術監督も務めている。また、BISレーベルにクラシックから近現代までの多くの作品を録音しており、彼の幅広いレパートリーと卓越した演奏技術、表現力を堪能することができる。
すでに数回の来日でNHK交響楽団や読売日本交響楽団と共演しており、いずれも絶賛されている。特に2012年の読売日本交響楽団との共演では、アホのクラリネット協奏曲の日本初演を行った。2015年、日本での初ソロリサイタルをおこなった。
マルティン・フレスト
Martin Frost
Clarinet