スペイン国立管弦楽団はスペイン有数の、合唱団を保有する交響楽団である。
スペイン内戦が終結した後、1942年、戦前のマドリッド市内オーケストラを再編する形で、設立。
歴代の指揮者には、アタウルフォ・アルヘンタ、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス、アントニ・ロス=マルバ、ヘスス・ロペス=コボス、アルド・チェッカートらがいる。
2003年からホセプ・ポンス、2014年からダヴィット・アフカムが首席指揮者を務めている。
最近では、グスターボ・ドゥダメル、ポール・マクリーシュ、マルク・ミンコフスキを客演指揮者として迎えている。2013/2014シーズンはセミヨン・ビシュコフ、クリストフ・エッシェンバッハ、ケント・ナガノ、ファビオ・ルイージ等が指揮している。
主な共演者には、これまでアルトゥール・ルービンシュタイン、ヴィルヘルム・ケンプ、クラウディオ・アラウ、アリシア・デ・ラローチャ、ユーディ・メニューイン、ナタン・ミルシュタイン、ダヴィッド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ビクトリア・デ・ロスアンヘルス、ジェシー・ノーマン、グンドゥラ・ヤノヴィッツ、テレサ・ベルガンサ、アンネ=ゾフィー・ムター といった最高のソリストたちとの共演が行われてきている。
マドリッドのオーディトリオ・デ・ムジカを拠点に、スペイン各地、そして海外にて広くツアーを行っている。最近ではイギリス、ドイツ、オーストリア、メキシコ、中国ツアーを行った。
バロックから現代まで、幅広いレパートリーを保持しており、独自のレーベルからカール・オルフのカルミナ・ブラーナをレコーディングしている。
スペイン国立管弦楽団のプログラミングは、スタンダードな西洋音楽に留まらず、多くの新曲や、古き作品を復元しての初演など幅広いものとなっている。
近年、オーケストラと室内合奏のための「・・・の為の、カルテ・ブランシェ」と称したコンサートシリーズ開催や、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ、ジョージ・ベンジャミン、アンリ・デュティユ、エリオット・カーター、ソフィア・グバイドゥーリナ、オスバルド・ゴリホフ、ジョン・アダムズなど、現代作曲家に焦点を当て、また、その現代作曲家が選ぶ作品を上演する等の活動を行っている。次のシーズンはアルヴォ・ペルトを取り上げる予定である。レパートリー拡大の取り組みとしては、作曲家であり指揮者でもあったストラヴィンスキー、ヒンデミット、ペンデレツキ、ベンジャミンなどの作品上演と同様に、多くの委嘱作品上演や、世界初演を行うプロジェクトがある。
レコーディングでは、ドイツ・グラモフォンからリリースした、パトリシア・プティボンを迎えてのアマルゴのソナタ組曲「メランコリア」がグラミー賞を受賞、それにより同レーベルから「イベリア」、そしてストラヴィンスキーの「春の祭典」と「ペトリューシュカ」をリリース。グラモフォンとは長期的な良い関係を持っている。今後の予定としては、カタロニアの作曲家、ベネット・カサブランカとセザール・カマレロに捧げるアルバム制作等がある。
スペイン国立管弦楽団
Orquesta Nacional de Espana
Orchestra